中小印刷業をめぐる、国の構造改善施策を受け、全日本印刷工業組合連合会ではこれまでさまざまなチャレンジを行ってきました。そして近年は「業態変革」をキャッチフレーズに、まず第1ステージの「業態変革ミニマム」に始まり、第2ステージの「原点回帰」の課題と取り組み、さらに現在は第3ステージの「新創業」に向かいつつあります。業態変革を第2ステージから第3ステージへ進める中で大きなポイントとしているのが、「顧客が基準」「コラボレーション」「創業者精神」の3つの要素です。これらの要素を統合して、私たちは第3ステージの活動のテーマを「ワンストップサービス」という言葉に集約しました。

 印刷を発注して下さる顧客を基準にして、顧客の立場に立って必要なものを提供する「ワンストップサービス」は、目新しい考え方ではなく、随分前から実践されてきたことです。目的は顧客にとってより一層役に立つ業務・サービスを提供することです。それは印刷発注に関わる煩わしさ、面倒くささ、無駄な時間などを、顧客にいかに使わせないかにかかっています。例えば印刷物を制作、製造したあとは、反省・効果測定して、次の印刷物をどう作るかまでの提案を含めてワンパックで提供すれば、印刷発注ご担当者の仕事は軽くなってくるのです。つまり、値下げしなくても顧客のコストダウンに貢献することが可能になります。「御社に頼めば、全て大丈夫!」と顧客から信頼され、仕事をトータルに委託されるようになってきます。

 顧客の側に立って考えた場合、最も求められる重要な要素として提唱しようとしているのが、コラボレーションです。これは自社の足りないところを、他社が持つ専門的な力を借りて補い、顧客のために役立てることです。これを機能させるためにはまず、自社の力を十分に科学的に把握する必要があります。他社の力についても同様のことが必要で、お互いにそうしないとコラボレーションの実績も上がりません。

 より一層顧客の役に立つためには、自社の業態を再定義し、事業領域(ドメイン)を見直すことによって、新しく「創業」するということが重要です。過去を全否定してでも創業するという経営者の熱き思いがなければ、顧客の役には立てません。「創業」し再出発しなければ、経営者から現場まで社内が一貫して「顧客が基準」という考え方が流れるようにはならないのです。

 「顧客が基準」「コラボレーション」「創業者精神」の3つの要素を有機的に結合し、ワンストップサービスをいかに確実に、いかにスピーディに実現していくか。この小冊子では、そのためのチェック項目やヒントをまとめました。「新創業はワンストップサービス」を目指して、今できることから、今すぐに行動をはじめましょう。そうしなければ成果はまた一日遠のいてしまいます。


全日本印刷工業組合連合会
会長 浅野 健


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